ネジ有効径長さ確保の指示による難加工の排除

Before

 左図のような、ねじ部を持つ精密シャフトのような円筒形状の量産品において、「Y(ねじ長さ)」のように段付き部の根元までねじ加工が指示されている場合があります。この場合根元まで「ねじ完全有効径」を保ったまま加工することは、切削加工の工程上不可能であり、加工不可能な図面となります。

VA・VE設計実例

After

 ねじ部を持つ、精密シャフトのような円筒形状の量産部品の設計では、「Yねじ長さ」を確保するために「根元に逃げ溝を追加」することが必要となります。ねじ部の根元に逃げ溝が設けられていれば、シャフト加工時にねじ部の終端部まで切削加工を行うことが可能となり、「ねじ完全有効径」を維持する事ができます。この際、逃げ溝長さ設定は「ねじピッチx1.5倍」以上を確保することが一般的です。

POINT

精密シャフトのように、ネジ部を持つ量産機械加工部品において段付き部の根元までネジ加工が指示されていると、ネジ加工が不可能となってしまいます。この場合、ネジ部の根元に逃げ溝を設けることでネジ加工が可能となります(逃げ溝長さはネジピッチの1.5倍を目安とします)。こうすることでシャフト加工にかかる時間を短縮することが可能です。

材料選定

  1. SUS303からSUS303CUへの材料変更によるコストダウン
  2. 焼鈍材料への材料変更によるコストダウン
  3. S10CからSUMへの材料変更によるコストダウン
  4. 棒材からパイプ材への材料変更による工程省略コストダウン
  5. 海外材料の活用による材料調達コストダウン

形状設計

  1. ブローチ加工の設計最適化による難加工の排除
  2. ローレット加工部の角形状変更によるコストダウン
  3. ローレット有品の最適設計による研削加工コストダウン
  4. 製品角部の逃げ溝の設計最適化による難加工の排除
  5. フライス掘り込み部の底部設計変更によるコストダウン
  6. フライス加工部の底部形状変更によるバリ抑制コストダウン
  7. 六角材加工品の図面指示変更による高精度化
  8. 穴底部の形状変更による穴底角公差の高精度化
  9. 穴底部の形状変更による穴加工コストダウン
  10. 段差形状の形状変更による加工コストダウン
  11. 長穴加工部品の穴形状変更による穴加工コストダウン
  12. ザグリ加工部品のザグリ部形状変更による加工コストダウン
  13. 角面取り部の角部形状変更による加工コストダウン

公差

  1. コーナーRサイズ表記の図面指示変更による加工コストダウン
  2. ネジ有効径長さ確保の指示による難加工の排除
  3. 素材面粗度の図面指示変更による加工コストダウン
  4. ネジ下穴の安定確保の指示による加工コストダウン
  5. 逃げ溝形状の角度指示変更による加工コストダウン
  6. ネジ有効径の図面表記変更による加工コストダウン
  7. 止まり穴の穴底角度指示変更による加工コストダウン
  8. R位置部の寸法指示変更による測定コストダウン
  9. 貫通穴のテーパー部寸法指示変更による高精度化

工程

  1. 左右対称精度部品の形状変更による工数削減コストダウン
  2. 位相寸法表記の変更による加工法変更コストダウン(CNC→カム)
  3. 切削ねじの精度変更による加工方法変更コストダウン(切削→転造)
  4. 量産部品の工程分割コストダウン(CNC複合→カム+フライス)
  5. 加工指示表記変更による工程集約コストダウン(研削→ローラーバニッシュ )

表面処理・熱処理選定

  1. 部品形状変更によるめっきの密着向上コストダウン
  2. メッキ活用による材料コストダウン(SUS材→鉄材+無電解ニッケル)
  3. 研磨シャフト部品の材料コストダウン
  4. メッキ種類変更によるコストダウン(無電解ニッケル→亜鉛メッキ)