メッキ活用による材料コストダウン(SUS材→鉄材+無電解ニッケル)

Before

 防錆のためにステンレス材を用いている、精密シャフトやピストンなどの量産部品では、高価なステンレス材を多量に使用するため材料コストが非常に高くなってしまいます。

VA・VE設計実例

After

 鉄材はステンレス材より安価であるため、材料変更によりコストダウンが可能です。ステンレス材料から鉄材に変更し、防錆性を無電解ニッケルによって補うことで大幅コストダウンを実現することができます。特に大量生産を行う精密シャフトやピストンなどの部品においては、こうした対策は必須です。

POINT

防錆性が必要な部品はステンレス材を用いることが一般的ですが、ステンレス材は高価なためコストダウンが難しくなります。精密シャフトやピストンなどの大量生産品の場合、防錆性が無電解ニッケル等で十分な場合は、ステンレス材から鉄材へ材料を変更することがコストダウンに有効です。鉄材に対して無電解ニッケル等の表面処理を行うことで、防錆性を保ちながらコストダウンを実現できます。

材料選定

  1. SUS303からSUS303CUへの材料変更によるコストダウン
  2. 焼鈍材料への材料変更によるコストダウン
  3. S10CからSUMへの材料変更によるコストダウン
  4. 棒材からパイプ材への材料変更による工程省略コストダウン
  5. 海外材料の活用による材料調達コストダウン

形状設計

  1. ブローチ加工の設計最適化による難加工の排除
  2. ローレット加工部の角形状変更によるコストダウン
  3. ローレット有品の最適設計による研削加工コストダウン
  4. 製品角部の逃げ溝の設計最適化による難加工の排除
  5. フライス掘り込み部の底部設計変更によるコストダウン
  6. フライス加工部の底部形状変更によるバリ抑制コストダウン
  7. 六角材加工品の図面指示変更による高精度化
  8. 穴底部の形状変更による穴底角公差の高精度化
  9. 穴底部の形状変更による穴加工コストダウン
  10. 段差形状の形状変更による加工コストダウン
  11. 長穴加工部品の穴形状変更による穴加工コストダウン
  12. ザグリ加工部品のザグリ部形状変更による加工コストダウン
  13. 角面取り部の角部形状変更による加工コストダウン

公差

  1. コーナーRサイズ表記の図面指示変更による加工コストダウン
  2. ネジ有効径長さ確保の指示による難加工の排除
  3. 素材面粗度の図面指示変更による加工コストダウン
  4. ネジ下穴の安定確保の指示による加工コストダウン
  5. 逃げ溝形状の角度指示変更による加工コストダウン
  6. ネジ有効径の図面表記変更による加工コストダウン
  7. 止まり穴の穴底角度指示変更による加工コストダウン
  8. R位置部の寸法指示変更による測定コストダウン
  9. 貫通穴のテーパー部寸法指示変更による高精度化

工程

  1. 左右対称精度部品の形状変更による工数削減コストダウン
  2. 位相寸法表記の変更による加工法変更コストダウン(CNC→カム)
  3. 切削ねじの精度変更による加工方法変更コストダウン(切削→転造)
  4. 量産部品の工程分割コストダウン(CNC複合→カム+フライス)
  5. 加工指示表記変更による工程集約コストダウン(研削→ローラーバニッシュ )

表面処理・熱処理選定

  1. 部品形状変更によるめっきの密着向上コストダウン
  2. メッキ活用による材料コストダウン(SUS材→鉄材+無電解ニッケル)
  3. 研磨シャフト部品の材料コストダウン
  4. メッキ種類変更によるコストダウン(無電解ニッケル→亜鉛メッキ)